値段はいくらにしたらいい?~1人PSM分析を考えてみた
ものやサービスを売るときには必ず悩みの種になる「値段」(価格)。
どの値段が一番いいのかを知ることは簡単ではありません。
「え、安くしたら売れて、高くしたら売れなくなるんじゃないの?」と思った方もいるかもしれませんが、一概にそうは言いきれないところがこの分野の難しさです。
値段を下げると、期待値が下がるので、満足度も比例して下がっていきます。期待値が下がったら、ハードルが下がるから満足度も上がりやすくなるのではとも思えますが、実際はゴール(欲しい価値)を明確にしていない人も呼び込んでしまうため、ブランド力が低下してしまい、長期的には売り上げが減る可能性があります。
簡単に言えば、「安いから買う」という消費者がたくさんきてしまい、こちらの体力が削られていってしまうのです。
ただし、この話はニッチな商品を扱う人向けで、メジャーな商品を扱う場合にはちょっと話が変わってきますので気をつけてください。メジャーな場合は価格を下げることが重要な技になることもあります。
では、どの値段にすれば、買い手も売り手もハッピーな値段にできるのでしょうか?
どの値段が一番いいのかを知ることは簡単ではありません。
「え、安くしたら売れて、高くしたら売れなくなるんじゃないの?」と思った方もいるかもしれませんが、一概にそうは言いきれないところがこの分野の難しさです。
値段を下げると、期待値が下がるので、満足度も比例して下がっていきます。期待値が下がったら、ハードルが下がるから満足度も上がりやすくなるのではとも思えますが、実際はゴール(欲しい価値)を明確にしていない人も呼び込んでしまうため、ブランド力が低下してしまい、長期的には売り上げが減る可能性があります。
簡単に言えば、「安いから買う」という消費者がたくさんきてしまい、こちらの体力が削られていってしまうのです。
ただし、この話はニッチな商品を扱う人向けで、メジャーな商品を扱う場合にはちょっと話が変わってきますので気をつけてください。メジャーな場合は価格を下げることが重要な技になることもあります。
では、どの値段にすれば、買い手も売り手もハッピーな値段にできるのでしょうか?
1.単純な価格の決め方
価格の簡単な決め方としてはコストから決めるというものがあります。
その商品やサービスをつくるにあたってかかるコスト(いわゆる原価)を「回収する」という考えです。
例えば、原価100円の商品Aを売るには、少なくとも100円で売らないと赤字になってしまいます。
実際は、利益を出したいので、それに少し上乗せをします。この上乗せした額を「粗利益」(いわゆる粗利)と言います。この粗利をどれくらいにしたいかで価格は変わってきます。
※ちなみに同人活動のように利益を出すことを目的としない場合は、赤字額の圧縮を目指すことになるので(あんまり大赤字を出して活動不能になったら困りますからね)、もっと緩い決め方になります。
これは分かりやすい反面、原価がほぼかからないものを扱っている場合や在庫が無い場合はいまいちピンときません。
価格の簡単な決め方としてはコストから決めるというものがあります。
その商品やサービスをつくるにあたってかかるコスト(いわゆる原価)を「回収する」という考えです。
例えば、原価100円の商品Aを売るには、少なくとも100円で売らないと赤字になってしまいます。
実際は、利益を出したいので、それに少し上乗せをします。この上乗せした額を「粗利益」(いわゆる粗利)と言います。この粗利をどれくらいにしたいかで価格は変わってきます。
※ちなみに同人活動のように利益を出すことを目的としない場合は、赤字額の圧縮を目指すことになるので(あんまり大赤字を出して活動不能になったら困りますからね)、もっと緩い決め方になります。
これは分かりやすい反面、原価がほぼかからないものを扱っている場合や在庫が無い場合はいまいちピンときません。
2.いくら必要か? から逆算する
こういう場合は、いくら必要かから逆算する手法をとることができます。
例えば、ある電子書籍を売るとします(ここでは手数料は考えないことにします)。この本で欲しい金額を1年で5000円に設定します。
そして、何冊売れるかを予想します。10冊ぐらいは売れるかなと考えると、5000÷10で1冊500円という設定にすればOKということになります。
ただ、ここまでの考え方は売り手の都合が第一に来ているので、買い手にもハッピーかと聞かれるとよく分かりません。
そこで、買い手にもいい金額を考えるときに使える価格決定の方法が「PSM分析」というものです。
こういう場合は、いくら必要かから逆算する手法をとることができます。
例えば、ある電子書籍を売るとします(ここでは手数料は考えないことにします)。この本で欲しい金額を1年で5000円に設定します。
そして、何冊売れるかを予想します。10冊ぐらいは売れるかなと考えると、5000÷10で1冊500円という設定にすればOKということになります。
ただ、ここまでの考え方は売り手の都合が第一に来ているので、買い手にもハッピーかと聞かれるとよく分かりません。
そこで、買い手にもいい金額を考えるときに使える価格決定の方法が「PSM分析」というものです。
3.PSM分析って何?
PSM分析は消費者の値段に対する思いをもとにして、適した金額を探る手法のことです。
具体的には消費者が考える以下の価格を探ります。
・高すぎると思う価格
・高いかなと思う価格
・安いかなと思う価格
・安すぎると思う価格
これらを集計して、最終的には
・「上限価格」(どんなに高くてもここまで)
・「妥協価格」(まあ、いいかな)
・「最適価格」(いい感じ)
・「下限価格」(これ以上安いと逆に不安)
を算出します。
実際、この分析をするときには、大規模なアンケート調査を行います。統計的な分析なので。
しかし!
そんな調査なんてできるわけないですね。
なので、とりあえず自分が他の人が作ったその商品を買うと考えたらいくらぐらいになるだろうかと考えてみることにします。
以降は私が勝手に考えた方法です。
PSM分析は消費者の値段に対する思いをもとにして、適した金額を探る手法のことです。
具体的には消費者が考える以下の価格を探ります。
・高すぎると思う価格
・高いかなと思う価格
・安いかなと思う価格
・安すぎると思う価格
これらを集計して、最終的には
・「上限価格」(どんなに高くてもここまで)
・「妥協価格」(まあ、いいかな)
・「最適価格」(いい感じ)
・「下限価格」(これ以上安いと逆に不安)
を算出します。
実際、この分析をするときには、大規模なアンケート調査を行います。統計的な分析なので。
しかし!
そんな調査なんてできるわけないですね。
なので、とりあえず自分が他の人が作ったその商品を買うと考えたらいくらぐらいになるだろうかと考えてみることにします。
以降は私が勝手に考えた方法です。
4.PSM分析を自分一人でやってみる
まずやるべきは、「ファン向け価格」と「一般消費者向け価格」に分けておくことです。これは後で少し補足します。
で、次に商品ごとの相場からだいたいの価格目盛りを決めます。
例えば文庫本なら、100~999円の間で値段が決められている感じがあるので、とりあえず100円を目盛りにします。
100
200
300
400
500
600
700
800
900
ですね。
そして、それぞれの値段から自分の売りたいものやサービスのスペックを前提に、それを「ファンとして買うなら」(自分が大好きな人が出していたら)と「一般消費者として買うなら」(普通に買うなら)の2パターンに分けて、自分も相手もハッピーかなと思う程度を4段階に分けて記入していきます。
△:私はハッピーだけど、相手は大変かも
○:私も相手も我慢はしてるけどまあまあ許せるかな
◎:私も相手もハッピーかな
✖:私はアンハッピー
例えば、250Pの文庫本で一般消費者として買うなら……
100:△
200:△
300:△
400:○
500:◎
600:○
700:✖
800:✖
900:✖
文庫本とかは相場をある程度把握しているので、それに影響されますね。
仮にこうなったとしたら、グラフに点をプロットします。横軸に値段、縦軸はパーセンテージとします。
プロットするのは△から○に変わるところ、○が◎に変わるところ、◎が○に戻るところ、○が✖になってしまうところです。横軸は目盛りの間で変わると仮定してプロットします。縦軸のどこにプロットすればいいのかですが、とりあえず真ん中つまり50%に全部合わせておいてください。
この例で言えば、以下のようになります。
まずやるべきは、「ファン向け価格」と「一般消費者向け価格」に分けておくことです。これは後で少し補足します。
で、次に商品ごとの相場からだいたいの価格目盛りを決めます。
例えば文庫本なら、100~999円の間で値段が決められている感じがあるので、とりあえず100円を目盛りにします。
100
200
300
400
500
600
700
800
900
ですね。
そして、それぞれの値段から自分の売りたいものやサービスのスペックを前提に、それを「ファンとして買うなら」(自分が大好きな人が出していたら)と「一般消費者として買うなら」(普通に買うなら)の2パターンに分けて、自分も相手もハッピーかなと思う程度を4段階に分けて記入していきます。
△:私はハッピーだけど、相手は大変かも
○:私も相手も我慢はしてるけどまあまあ許せるかな
◎:私も相手もハッピーかな
✖:私はアンハッピー
例えば、250Pの文庫本で一般消費者として買うなら……
100:△
200:△
300:△
400:○
500:◎
600:○
700:✖
800:✖
900:✖
文庫本とかは相場をある程度把握しているので、それに影響されますね。
仮にこうなったとしたら、グラフに点をプロットします。横軸に値段、縦軸はパーセンテージとします。
プロットするのは△から○に変わるところ、○が◎に変わるところ、◎が○に戻るところ、○が✖になってしまうところです。横軸は目盛りの間で変わると仮定してプロットします。縦軸のどこにプロットすればいいのかですが、とりあえず真ん中つまり50%に全部合わせておいてください。
この例で言えば、以下のようになります。
そしてこの点を通る一次関数のグラフを書きます。うわ、数学!(一応中学生のレベルのやつですが)
※本当は大量のデータから近似曲線を書くのだと思いますが、データが1個しかないのでここではとりあえず一次関数にしてしまいます。まあ、参考にするぐらいなので……。
一次関数のグラフを書くには二点が必要ですが、前半2つについては(0, 100)と(価格, 50)、後半2つについては(0, 0)と(価格, 50)とします。
簡単に説明すると、Y=aX+bのbは前半2つの100、後半2つは0になります。aは50÷価格で出ますが前半は右肩下がりなので-をつけます。
これで一次関数の式を計算すると、左から
・Y=-1/7X+100…①
・Y=-1/9X+100…②
・Y=1/11X…③
・Y=1/13X…④
となりますので、それに合わせてグラフを書きます。
※本当は大量のデータから近似曲線を書くのだと思いますが、データが1個しかないのでここではとりあえず一次関数にしてしまいます。まあ、参考にするぐらいなので……。
一次関数のグラフを書くには二点が必要ですが、前半2つについては(0, 100)と(価格, 50)、後半2つについては(0, 0)と(価格, 50)とします。
簡単に説明すると、Y=aX+bのbは前半2つの100、後半2つは0になります。aは50÷価格で出ますが前半は右肩下がりなので-をつけます。
これで一次関数の式を計算すると、左から
・Y=-1/7X+100…①
・Y=-1/9X+100…②
・Y=1/11X…③
・Y=1/13X…④
となりますので、それに合わせてグラフを書きます。
そうすると4つ交点ができるのが分かりますか?
それぞれ、①と③の交点が「下限価格」、②と③の交点が「妥協価格」、①と④の交点が「最適価格」、②と④の交点が「上限価格」となります。
それぞれ、①と③の交点が「下限価格」、②と③の交点が「妥協価格」、①と④の交点が「最適価格」、②と④の交点が「上限価格」となります。
交点を計算してみると(小数点は切り捨て)、
下限価格……427円
妥協価格……495円
最適価格……455円
上限価格……531円
と、なりました。
やり方忘れたという方は、計算してくれるサイトもあるので、使ってみてください。
(http://keisan.casio.jp/exec/system/1173755018)
相場より少し低い金額が本当はいいなあと思っているという感じですかね。でも、実際の価格も上限価格内にはだいたいおさまっているので、買うには買うよというレベルです。
この下限から上限の間を「受容価格帯」と言って、少なくともここに入れておかないと消費者の感覚からずれちゃうかもということを示しています。
ファンとして考えるなら(絶対この人のなら買う!特典もある!とか)、価格はもっと高くなるはずです。
この差がなかなか重要だと思います。
下限価格……427円
妥協価格……495円
最適価格……455円
上限価格……531円
と、なりました。
やり方忘れたという方は、計算してくれるサイトもあるので、使ってみてください。
(http://keisan.casio.jp/exec/system/1173755018)
相場より少し低い金額が本当はいいなあと思っているという感じですかね。でも、実際の価格も上限価格内にはだいたいおさまっているので、買うには買うよというレベルです。
この下限から上限の間を「受容価格帯」と言って、少なくともここに入れておかないと消費者の感覚からずれちゃうかもということを示しています。
ファンとして考えるなら(絶対この人のなら買う!特典もある!とか)、価格はもっと高くなるはずです。
この差がなかなか重要だと思います。
5.一般向けとファン向け
一般向けは「自分のファンではない人にも手に取ってもらう」必要があるので、価格を低めに設定します。
これも必要で大事なことですが、こればかりだと薄利になるので、ファン向けのものも必要です。
このバランス、要は一般向けをどれくらい用意して、ファン向けをどれくらい用意するかの割合を考えることが大事ですが、これはたぶん一種の勘でやっていくしかないのかなと思います。
たくさんの失敗を経て、修正していくというプロセスがたぶん必要です。
私も正解みたいなものを知っているわけではありません。
まあ、とにかく、こんな分析方法もあるので、試してみたら面白いんじゃないかなという話でした。もっとも無理やり一人でもできるようにしたので、参考程度ということで(笑)
一般向けは「自分のファンではない人にも手に取ってもらう」必要があるので、価格を低めに設定します。
これも必要で大事なことですが、こればかりだと薄利になるので、ファン向けのものも必要です。
このバランス、要は一般向けをどれくらい用意して、ファン向けをどれくらい用意するかの割合を考えることが大事ですが、これはたぶん一種の勘でやっていくしかないのかなと思います。
たくさんの失敗を経て、修正していくというプロセスがたぶん必要です。
私も正解みたいなものを知っているわけではありません。
まあ、とにかく、こんな分析方法もあるので、試してみたら面白いんじゃないかなという話でした。もっとも無理やり一人でもできるようにしたので、参考程度ということで(笑)