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Kindle Unlimtedのセルフパブリッシングへの影響はどんなものか?

先日、ついに日本でも月額980円払うとkindleストアの本が読み放題になる「Kindle Unlimited」がスタートしました。

私のツイッターのフォロワーさんなどはセルフパブリッシングをしている方が多いので、皆さん注目してらっしゃるようです。

今回はそんなkindle unlimited(以下KU)で何が起きるのか、私なりの考えを書いていきます。先に結論だけ書くと、商品価値のよりいっそうの明確化が求められるので、それを意識して作品をつくるべきではないかという話です。


1.価格競争の消失
一般的にビジネスモデルで最も重視されるのは価格です。単価を上げて利益額(粗利)で勝負するか、単価は下げて売上数で勝負するのかなど、価格戦略がまず最初に考えるべきことになることはよくあると思います。

ところが、KUは読み放題ですから、アマゾンにお金を払っておけば、作品にお金を払う必要がありません。

つまりKUに入っている人に対しては、すべてのKU対象作品が無料になるということです。

これはビジネス的に大きな衝撃です。価格による差別化を無力化するからです。このため、価格による戦略はあまり意味をなさなくなります(KU未登録者やマルチストア販売のためKU対象でない作品を販売している人には変わらず意味があります)。

では、価格が消費者に与える影響が減ると何が起きるでしょうか。

2.内容重視=読者にとっての価値重視
お金の心配をしなくていいのなら、読者は作品の内容にグッとフォーカスをあてることになるでしょう。図書館でもともとの値段を加味して本を選ぶ人はあまりいないのと同じです。

そしてその”内容”は「面白い」といったことよりも、「実利的なもの」であればあるほど強いと考えられます。ここでいう実利的なものというのはパブリックなものというよりは、個人的に必要なものです。噛み砕けば、「そうそうこういうのが欲しかったんだよ!」というものです。

いわゆる「ニッチ」というやつですね。「ニッチ」の強みは、その強力なリピート力と口コミです。そしてそれはニッチであればニッチであるほど強くなります。

要するに、読者が「あったらいいな」と思うものを提供出来ていれば、KUでも読まれる可能性が高いのではないかということです(後述しますが、自分が「あったらいいな」と思うものは誰かにとっての「あったらいいな」になると考えるといいです)。

 3.逆価格競争も起きる?
先ほど、価格競争が無くなると言いましたが、通常とは逆の価格競争なら起きるかもしれないと私は考えています。

みなさんも食べ放題に行くと、やたら高いのを食べたくなりませんか? 普段なら手を出さないものでも食べ放題ならお金が変わらないからです。そして、その根源的な欲求は「元を取りたい!」というものだと思うのですが、いかがでしょう(人にはトータルでは不利益でも、目の前の損失を回避したくなってしまう性質があります)。

これと同じことがKUでも起きるかもしれません。つまり、元々の価格(KU未登録者向け)が高いものにあえて手を出す人が出てくるのではないかということです。

月約1000円と決して安くはない金額を払う以上、元を取りたくなるのが人間でしょうから、普通なら躊躇するものに手を出すのではないでしょうか。

この仮説が正しければ、元々の価格が高いものほどダウンロードされるという逆価格戦略が起きる可能性があります。セルフパブリッシングの方は金額を安くしていることが多いので、そういう部分で商業出版と比較して不利になるかもしれません。とはいえ、対策で価格を上げるとKU未登録者への目配りが薄くなるのでよく検討が必要です。

しかし、読者にとっては価格が内容を担保する部分もあるので、ある程度の価格にしておいて損は無いと思いますよ。

先ほどの話に絡めると、ニッチなものは客単価を上げることができます。ニッチとは希少価値のことですから、需要と供給の関係からいって、当然価格を上げても経済的には成り立つわけです。ニッチゆえにDL数が伸び、かつ単価を上げることで逆価格戦略とKU未登録者向けへの内容担保効果を狙えます。メジャー志向で無いのならこういう考え方もありだと思います。


4.希少価値の演出を!
話をまとめると、「この作品はあなたの欲求を満たすためだけにある」と言えるぐらいのニッチさ、希少価値を伝えることが必要になるのではということです。

すでに書いたものについては「そもそも自分は何が一番表現したかったのか」を軸に作品を紹介し、これからのものは自分が「どうして世の中にこういう作品が無いんだ!」と不満に思っていることを作品に仕立てればいいと思います。

自分が考えたことは世界で1000人くらいは同じことを思っていると言われたりしますからね。最初のマーケティングリサーチは自分にすべきです。逆に言えば他人の気持ちなんて推察しかできないわけですから、そこを調査ししても当たり外れが出ます。自問自答のほうが当たる確率は高いような気がしませんか。

このサイトでも時々「この記事がとても役に立った」とわざわざメールを送ってくださる方がいます。本当に感謝感謝で頭が下がる思いですが、上手くニッチさにはめることができると、感動してもらえたりするということの証左なのだろうと思います。別に泣けるものを書かなくても人は感動してくれるんですよね。
(数的にはまたまだ上手くはめられてないので私も精進が必要です)

ただし、ベースは自分にあったとしても、その価値を人に伝える際は「他人目線でパッケージ化」する必要があります。根幹を譲る必要はありませんが、枝葉は受け手に合わせましょう。独りよがりの作品は確実に拒絶されます。


5.おわりに
今回の話は、メジャー志向でない人向けのものです。自分を大切にしてセルフパブリッシングをしていきたいと思う方はこういう考え方のほうがいいんじゃないかなあと思います。

メジャー志向の場合は、ニッチさよりも話題性を重視したほうがいいでしょう。ただし、どちらの志向でもファンは大事にしなくてはいけません。

このような「○○放題」サービスは音楽などでは先に始まっているので、そちらを研究してみるのもいいかもしれません。私もしてみます。

新しいサービスが始まりましたし、これを機に作品づくりのあり方を改めて考えてみてもいいのではないでしょうか。

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