資本主義の未来はどうなる?
<日刊幸せへのヒント・2017年09月04日>
今回はちょっと毛色を変えて、経済の話を。
今の世界経済は基本的に資本主義で動いていますよね。
自由に商売をして、それによる資本の動きで経済が動くという。
資本主義の基本的な考え方というのは「成長」にあります。共産主義がソ連の崩壊とともに敗れ去ったのは、「成長」を持続できなかったからです。
一度、果実を手にした人間は、なかなかその果実を手放せませんから、「成長」により利益を得るとその利益にしがみつきます。ですが、利益には新規参入者が寄ってくるのでいわゆるパイの奪い合いになります。この奪い合いを避けるには、パイの拡大が必要だというのが資本主義の考え方です。
景気には循環がありますから、資本主義経済を採用する以上「好景気」と「不景気」が交互にやってきます。ですが、トレンドとしてみればイギリスで産業革命が起きて以来、基本的にはパイは拡大し続けてきました。
この拡大の原動力はいったい何だったのでしょうか?
今の世界経済は基本的に資本主義で動いていますよね。
自由に商売をして、それによる資本の動きで経済が動くという。
資本主義の基本的な考え方というのは「成長」にあります。共産主義がソ連の崩壊とともに敗れ去ったのは、「成長」を持続できなかったからです。
一度、果実を手にした人間は、なかなかその果実を手放せませんから、「成長」により利益を得るとその利益にしがみつきます。ですが、利益には新規参入者が寄ってくるのでいわゆるパイの奪い合いになります。この奪い合いを避けるには、パイの拡大が必要だというのが資本主義の考え方です。
景気には循環がありますから、資本主義経済を採用する以上「好景気」と「不景気」が交互にやってきます。ですが、トレンドとしてみればイギリスで産業革命が起きて以来、基本的にはパイは拡大し続けてきました。
この拡大の原動力はいったい何だったのでしょうか?
○原動力は「資本の蓄積」だ!
簡単に言ってしまうと、資本主義での成長を推し進めてきたのは「資本の蓄積」です。
ピケティが「21世紀の資本」で指摘しましたが(まあ読んでないんですけどw)、「資本」は分配されるよりも効率よく新たな資本を集めます。
つまり、お金持ちと貧乏人で、同じだけの額を集めるレースをしたら、お金持ちのほうがお金を早く集めることができるということです。これにより資本主義では格差が拡大していきます。
まあ、当たり前と言えば当たり前ですかね(笑)
資本家は蓄積した資本を投資に回し、それが新たな資本をより多く集めてくるという流れが全体として経済を成長させてきたわけです。
会計学などではまた違うでしょうが、ものすごく大雑把に言えば、そもそも「資本」は「収入-支出」がプラスになるだけ溜まっていきます。
よって、資本を蓄積させるには黒字にすることが必要です。黒字にするため一番初めに手をつけやすいのが支出のカット、もっと具体的に言えば「労働コストのカット」です。要するに安く労働力を使うということですね。
実際はそれにより生産性が下がれば、収入も下がるので、必ずしも正解ではないのですが、最も簡単で確実なので非常に横行している手法です。
安く雇用した労働力で商品をつくり、それを高く売れるところで売り、その差額で儲ける(新たな資本)。
これが経済成長の基本モデルになってきたわけです。
当初これは国内で行われていました。イギリスでは「囲い込み」で半ば無理やり労働者を確保したりしていました。日本でも労働環境は非常に悪く、現在でも昔ほどではなくなってきているものの相変わらず労働環境は良くありません。これは経済成長の基本モデルが労働者を安く、かつ商品を大量に作らせるというものだからです。
ですが、国内だけではこれが回らなくなってきます。なぜなら、労働者は消費者でもあるので、給料が下がれば消費も下がり、景気が冷え込むからです。こうするとパイを拡大するはずが逆に縮小する事態になります。
そこで資本家が目を付けたのは「海外」でした。
簡単に言ってしまうと、資本主義での成長を推し進めてきたのは「資本の蓄積」です。
ピケティが「21世紀の資本」で指摘しましたが(まあ読んでないんですけどw)、「資本」は分配されるよりも効率よく新たな資本を集めます。
つまり、お金持ちと貧乏人で、同じだけの額を集めるレースをしたら、お金持ちのほうがお金を早く集めることができるということです。これにより資本主義では格差が拡大していきます。
まあ、当たり前と言えば当たり前ですかね(笑)
資本家は蓄積した資本を投資に回し、それが新たな資本をより多く集めてくるという流れが全体として経済を成長させてきたわけです。
会計学などではまた違うでしょうが、ものすごく大雑把に言えば、そもそも「資本」は「収入-支出」がプラスになるだけ溜まっていきます。
よって、資本を蓄積させるには黒字にすることが必要です。黒字にするため一番初めに手をつけやすいのが支出のカット、もっと具体的に言えば「労働コストのカット」です。要するに安く労働力を使うということですね。
実際はそれにより生産性が下がれば、収入も下がるので、必ずしも正解ではないのですが、最も簡単で確実なので非常に横行している手法です。
安く雇用した労働力で商品をつくり、それを高く売れるところで売り、その差額で儲ける(新たな資本)。
これが経済成長の基本モデルになってきたわけです。
当初これは国内で行われていました。イギリスでは「囲い込み」で半ば無理やり労働者を確保したりしていました。日本でも労働環境は非常に悪く、現在でも昔ほどではなくなってきているものの相変わらず労働環境は良くありません。これは経済成長の基本モデルが労働者を安く、かつ商品を大量に作らせるというものだからです。
ですが、国内だけではこれが回らなくなってきます。なぜなら、労働者は消費者でもあるので、給料が下がれば消費も下がり、景気が冷え込むからです。こうするとパイを拡大するはずが逆に縮小する事態になります。
そこで資本家が目を付けたのは「海外」でした。
○安い労働市場としての植民地
国内ではうまく経済がまわらなくなってくると、資本家たちは海外に目をつけます。海外ではまだ社会が成熟していないので安く労働者を使っても文句が出ないどころか、雇用が生まれて経済が活性化するので喜ばれたのです。
これにより資本家、企業は海外に生産拠点を移すようになります。海外でうんと安く作って、本国の高めの物価で売ることで差額を確保していったのです。
しかし、これをやりすぎて、海外の産業構造をめちゃくちゃにしたり、労働者を奴隷として使ったりする歴史的汚点とも呼べる現象が世界各国で発生しました。また、囲い込みとして労働者国の貿易を制限したりする「ブロック経済」も横行しました。日本が第二次世界大戦に参加していったのもこのような流れが原因として存在します。
第二次大戦でブロック経済はダメだということになったのですが、国家がそれをしなくなっただけで、実際はグローバル企業(多国籍企業)と呼ばれるような企業がこの流れを引き継ぎました。
国内ではうまく経済がまわらなくなってくると、資本家たちは海外に目をつけます。海外ではまだ社会が成熟していないので安く労働者を使っても文句が出ないどころか、雇用が生まれて経済が活性化するので喜ばれたのです。
これにより資本家、企業は海外に生産拠点を移すようになります。海外でうんと安く作って、本国の高めの物価で売ることで差額を確保していったのです。
しかし、これをやりすぎて、海外の産業構造をめちゃくちゃにしたり、労働者を奴隷として使ったりする歴史的汚点とも呼べる現象が世界各国で発生しました。また、囲い込みとして労働者国の貿易を制限したりする「ブロック経済」も横行しました。日本が第二次世界大戦に参加していったのもこのような流れが原因として存在します。
第二次大戦でブロック経済はダメだということになったのですが、国家がそれをしなくなっただけで、実際はグローバル企業(多国籍企業)と呼ばれるような企業がこの流れを引き継ぎました。
○安い労働市場はいつか無くなるのでは?
今も大枠としてのメカニズムは変わっていないので、安い労働市場が経済成長をけん引しています。
ですが、いつかは安い労働市場は無くなる可能性が高いです。一度経済が発展した国は「安い賃金」「悪い労働環境」では満足しなくなるからです。
日本でもかなり抑制的ですが、なんとか労働環境や賃金を向上させる方向へ向かっています。急激に戻ることは考えにくいでしょう。「高プロ」(残業代ゼロ)法案などで資本家側も抵抗していますがこの流れがトレンドになる可能性は極めて低いです。
今後安い労働市場が無くなったらどうなるか。
結論としては世界全体としての経済成長は終わりに向かうのではないでしょうか。無理にこれを続けようと考えれば、もう戦争をするしかありません。戦争によって軍事産業を伸ばし、同時に国土を破壊して無理やり生活レベルを下げさせるのです。そうすれば安い労働市場が復活します。
このような悲惨な末路をたどる前に、資本主義に代わる新たな価値観を提示したり、実践したりしていく必要があるのではないでしょうか。
身の丈にあった生活水準、生活満足度を重視した経済などなど。今の資本主義が100年続くとは考えにくいので、今のうちから大混乱から逃れるための方策を準備しておきたいなあと思ったりします。
今も大枠としてのメカニズムは変わっていないので、安い労働市場が経済成長をけん引しています。
ですが、いつかは安い労働市場は無くなる可能性が高いです。一度経済が発展した国は「安い賃金」「悪い労働環境」では満足しなくなるからです。
日本でもかなり抑制的ですが、なんとか労働環境や賃金を向上させる方向へ向かっています。急激に戻ることは考えにくいでしょう。「高プロ」(残業代ゼロ)法案などで資本家側も抵抗していますがこの流れがトレンドになる可能性は極めて低いです。
今後安い労働市場が無くなったらどうなるか。
結論としては世界全体としての経済成長は終わりに向かうのではないでしょうか。無理にこれを続けようと考えれば、もう戦争をするしかありません。戦争によって軍事産業を伸ばし、同時に国土を破壊して無理やり生活レベルを下げさせるのです。そうすれば安い労働市場が復活します。
このような悲惨な末路をたどる前に、資本主義に代わる新たな価値観を提示したり、実践したりしていく必要があるのではないでしょうか。
身の丈にあった生活水準、生活満足度を重視した経済などなど。今の資本主義が100年続くとは考えにくいので、今のうちから大混乱から逃れるための方策を準備しておきたいなあと思ったりします。