AKB48の戦略!秋元康の仕事術
今回は、「AKB48の戦略!秋元康の仕事術」(アスコム)という書籍の紹介です。
秋元さんやAKBは何かと批判されることも多いですし、私自身も「うーん…」と思うところも無くはないのですが、ビジネスという観点でみれば成功していることは間違いないので、参考にするのにはうってつけだと思いました。
紹介代わりに、私が気になった言葉をピックアップしてコメントをつけてみました。
・AKBの根本戦略
→劇場は立ち見500円という安さ。
→劇場で採算をとることは考えない。劇場は興味を持ってもらうプラットフォーム。
最近のビジネスでは「無料」を基調に、一部ユーザーにお金を払ってもらうというかたちが多いですね。個人で考える場合も、宣伝(not広告)を目的としたプラットフォームを考える必要があるのかもしれません。
・企画に根拠など必要ない。「自分が面白いと思うから」で良い。
→それを面白いと思う自分も大衆の一人なのだから、同じ価値観を持った人はどこかに必ず存在する。
これはいい発想だなあ、と思いました。根拠を求めると面白くないですし、爆発力のある作品にはならないと思うのです。自分が面白いと思うものを突きつめるのがクリエイターの場合は必須の素養なのかも。
・未完成ゆえに鮮度が落ちない。未完成さを逆に売り物にする。お客さんは、伸びしろや成長、ひたむきさを見に来ているのである。
AKBを見ていると「なるほど」と思います。未完成でも、一生懸命成長しようとする姿に人は胸をうたれますからね。これはある意味、アマチュアの特権です。AKBでもテレビによく出るような人たちはもうプロと言って差し支えないですからこれは当てはまらないと思いますが、研究生や日のまだ当たっていない人にとってはある意味の最大の長所です。
・AKBはリナックス(オープンソース)である。色々な分野の専門家にカスタマイズ(バージョンアップ)してもらえれば良い。
・AKBにおいては、「カルピスの原液」を目指している。つまり、レベルの高い大元を目指す。そうすると、色々な薄め方をしたいという人が集まってくるので、その人たちに薄めてもらって、お客さんに飲んでもらう。
・逆に、お皿(媒体、メディア)に合わせた料理をつくるのはナンセンス。おいしい料理は高級皿だろうが紙皿だろうが食べる。
いかにして、おいしそうな原液をつくるか。これには正解が無いというか、どうしても鍛錬のような部分が入ってきますね。私はどちらかというと、「どうやって薄めよう」と考えるタイプなのでやっぱりプレーヤー向きではなさそうです。
・意図しない格差には反対だが、芸能界と言う格差社会に自ら望んで入ってきた以上、格差は受け入れなければならない。その意味で、客観的なランキング付けは親心でもある。
→そもそもAKB自体のレベルが上がっていけば、AKBで1位だろうが50位だろうが、芸能界全体でみれば上位に位置することに変わりは無い。
ランキングを絶対視する必要はありませんが、きっかけにはいいかなとは思います。ランキングで全てを語るのは反対ですけれども。まあ、参考程度に。
・魚(お金、地位、名誉)をあげるのではなく、釣りざお(それらを獲得するツール)の作り方を教える。
ノウハウを教えるという感じでしょうか。今はこういうのが求められている時代ですね。
・チャンスには順番がある。待っていれば、必ずチャンスは来る。むやみやたらに動き回ると、それを逃してしまう。
AKBでこういう曲ありましたよね。それはともかく、待つ勇気が大事だということですね。「今出来ることをひたむきにやっていると良いことあるよ」ということでしょうか。転がってきたチャンスをきちんとつかめる準備が必要なのですね。でも、「待つ」って結構大変ですよねえ。
・プロデュースの仕事は、畑を用意して種をまくまで。花が咲くかは本人次第。
これは組織論的な話ですね。上に立つ人は、下の人が活躍できるフィールドを持たせてあげることが重要です。失敗もしますが、成長もするというお話。
・売れるには「刺さるコンテンツ」(自分はこれが好きだ!と思ってもらえるコンテンツ)でなければいけない。今の時代、「認知」だけでものは売れない。
・細分化された特定の価値集団に属する人々に売れればOKである。
(そのための「刺さるコンテンツ」)
・今の人(2012年の話。特に若い人)は「本当に欲しいものしかいらない」という価値観である。とりあえず持っておくという価値観はあまり無い。
これはその通りだなと思います。テレビの影響力が落ちたのは、認知と購買が結びつかなくなったからです。何か付加価値が無ければ、買おうという回路に至らないのですね。私はブランディングに興味を持っていますが、個人でもちゃんと付加価値をつけられれば、購買に結び付くはずです……きっと。
・AKBでは「最小公倍数」を意識している。一人ひとりにアプロ―チをかける。
AKBの場合は色々なタイプの子を入れることで、ファンのすそ野を広げているということですね。個人の場合でも、趣味嗜好が単一ということはあまりありませんから、フックをたくさんつけておくと良いですね。
・ものがヒットするには、「共犯意識」の広がりがポイント。共犯意識とは、「下らないけど、俺たちだけは知ってるぜ」という感覚。
これは王道には無い感覚です。今でこそAKBは王道ですが、最初はこういうのが必要だったんですね。ニッチな市場では重要な項目でしょう。
・時代や大衆のニーズに上手く乗る。逆らったりするのではなく、利用する。
・戦略が無いのが戦略。時代に身をゆだねる。
「最初は戦略が必要」だと私は思います。でも、ある程度の波が起きたら、サーファーのようにそれに乗れば良いと考えます。
・本音やバックステージを見せる。
何を考えて、そういう作品がつくられているのか。プレイヤーはどんな人間性か。そういう部分が見えると、ファンになってもらいやすいですね。私もTwitterなどが面白い人は好きです。
・雑談の中にこそ、企画のヒントがある。
・企画とは、ある「場」と別の「場」を結び付けることである。
・どんな仕事でも「企画」がある。常に考える。何を考えればいいのか考える。
常に企画の為のアンテナを張っておくということですね。「企画」というのは今の現状を良い方向へ変化させる行動計画のことだと思うので、ありとあらゆる場面でそれは必要とされているということでしょう。
・「予定調和を壊す」とは裏をかいたり、奇をてらうことでは無い。なぜなら、裏や奇を考えた時点でそれ自体が「予定調和」だからである。正しいのは、「何も制限をかけないこと」である。
これは大事な発想だなと思いました。CMなんかでも奇をてらい過ぎて意味が分からないものとかありますしね。あれは逆に予定調和なんでしょう……。
・気づきを付箋に貼って、リュックに放り込んでいくイメージ。
秋元さんは実際に付箋に貼るわけじゃなくて、頭の中でのイメージと語っています。でも個人的にはメモなどに書いておくといいんじゃないかなと思います。
・現在はすべて過去にすぎない。これからもその「過去」が積み重なるかは分からない。
自分は歴史が好きで、それなりに勉強してきたので、過去は大事だと思っています。一方で、過去というのはマイナスを避けることは出来ても、プラスにするのに向いているツールではないと思うので、過去一辺倒もまずいですよね。となると、過去も参考にしつつ、自分の直感を大事に攻めるのが良さそうですね。
・マーケティングを考えるより、自分が信じるものを続ける方が大事。二匹目のドジョウはどうしても小さくなる。
AKBのあとにAKBの真似をしても意味が無いと秋元さんは言います。確かにアイドルで明確に成功しているのはももクロぐらいですからね。ももクロはAKBとはコンセプトが違いますし。
・みんなが考えないようなことをやる。野球で言えば、フルスイング。三振もあるが、ホームランもある。逆に、バットを短く持って当てに行くと、単打ばかりになる。
これは当の秋元さんも、仕事によると書いています。AKBではフルスイング出来ますが、依頼されたものはどうしても当てにいくバッティングになると。使い分けが大事そうです。
・「初めて」が一番面白い。常に自分にとっての初めてをやる人は元気。
初めては「恐い」です。一方でワクワクもします。まさに「生きてる!」って感じがしますね。確かにエネルギーは出そうですよ。
・「場」をつくることが大事。そこで何が起きるかはコントロール不能。
まずは「場」を確保することが大事ですね。「場」が無ければ何も出来ませんから。その点、今の時代はネットに「場」だけはたくさんあるので、ある意味恵まれていると言えそうです。
・ファンやお客さんが求めているのは「身近さ」。
やっぱり人間性なのですよ。プロなら露出しなくてもいいかもしれないのですが、アマチュアは自分も含めてトータルで考えていく必要がありそうです。
・クリエイティブとマネージメントは違う。クリエイティブは完成形に近付けていく作業。マネージメントはそれと徹底的に向き合って、問題を解決していく作業のこと。
これは「なるほど!」と思いました。私はどちらかと言うと、「マネージメント」っぽいですね。自分で物事を牽引するのは苦手なので。
・「何が面白かったのか?」をお客さんが理解していないと、リピーターになってくれない。
これは裏返すと、供給側がそれを意図的に忍び込ませておく必要があるということです。この作品で何を楽しんでもらいたいのか。それを楽しんでもらえるような構成か。などなど。
・成功しない理由を見つけないこと。
パイオニアと呼ばれる人はこういう傾向がありますよね。探せばいくらでも出てきますが、あえて探さない、と。
・人生とは「デッサン」のようなもの。失敗の積み重ね。
よく言われる言葉ですが、前提があると私は思います。はっきり言って、私は失敗は嫌です。なので、失敗しないように策を練ります。それでも失敗するのですね。そのときに初めて、「失敗は成功の元さ」と"開き直る"ことが出来ると良いねという話だと思います。ただ、失敗を恐れて行動しないのは、何も生まないので、やめるようにしようと思ってます。
・「僕に仕事を発注して、期待したのはあなた」というスタンス。期待はクライアントが勝手にしてることで、こちらはあまりそれに頓着しない。ダメでも悪いのは頼んだ人という気楽さがある。
日本は職人系の仕事が多く、みんな真面目なので、期待以上のものをつくろうと努力するのが美徳とされています。これはこれで素晴らしいと思いますが、こういうのって「もの」系の仕事で可能なんですよね。誰が見ても仕事の質が分かる類の仕事です。
逆に、エンターテインメント系は成果判断が非常に主観的です。同じ作品を見ても「いい」と言う人と「なんじゃこりゃ」と言う人がいます。しかも工業品と違って、目に見えないものを扱っているのと同義です。故に期待以上に出来る保証がありません。なので、そこをあまり突き詰めなくてもいいのかなと思いますね。
これでも色々省略しています。また、高橋みなみさんのインタビューなども入っていたりと、他にも面白い部分が多いので、ぜひ読んでみてください!
秋元さんやAKBは何かと批判されることも多いですし、私自身も「うーん…」と思うところも無くはないのですが、ビジネスという観点でみれば成功していることは間違いないので、参考にするのにはうってつけだと思いました。
紹介代わりに、私が気になった言葉をピックアップしてコメントをつけてみました。
・AKBの根本戦略
→劇場は立ち見500円という安さ。
→劇場で採算をとることは考えない。劇場は興味を持ってもらうプラットフォーム。
最近のビジネスでは「無料」を基調に、一部ユーザーにお金を払ってもらうというかたちが多いですね。個人で考える場合も、宣伝(not広告)を目的としたプラットフォームを考える必要があるのかもしれません。
・企画に根拠など必要ない。「自分が面白いと思うから」で良い。
→それを面白いと思う自分も大衆の一人なのだから、同じ価値観を持った人はどこかに必ず存在する。
これはいい発想だなあ、と思いました。根拠を求めると面白くないですし、爆発力のある作品にはならないと思うのです。自分が面白いと思うものを突きつめるのがクリエイターの場合は必須の素養なのかも。
・未完成ゆえに鮮度が落ちない。未完成さを逆に売り物にする。お客さんは、伸びしろや成長、ひたむきさを見に来ているのである。
AKBを見ていると「なるほど」と思います。未完成でも、一生懸命成長しようとする姿に人は胸をうたれますからね。これはある意味、アマチュアの特権です。AKBでもテレビによく出るような人たちはもうプロと言って差し支えないですからこれは当てはまらないと思いますが、研究生や日のまだ当たっていない人にとってはある意味の最大の長所です。
・AKBはリナックス(オープンソース)である。色々な分野の専門家にカスタマイズ(バージョンアップ)してもらえれば良い。
・AKBにおいては、「カルピスの原液」を目指している。つまり、レベルの高い大元を目指す。そうすると、色々な薄め方をしたいという人が集まってくるので、その人たちに薄めてもらって、お客さんに飲んでもらう。
・逆に、お皿(媒体、メディア)に合わせた料理をつくるのはナンセンス。おいしい料理は高級皿だろうが紙皿だろうが食べる。
いかにして、おいしそうな原液をつくるか。これには正解が無いというか、どうしても鍛錬のような部分が入ってきますね。私はどちらかというと、「どうやって薄めよう」と考えるタイプなのでやっぱりプレーヤー向きではなさそうです。
・意図しない格差には反対だが、芸能界と言う格差社会に自ら望んで入ってきた以上、格差は受け入れなければならない。その意味で、客観的なランキング付けは親心でもある。
→そもそもAKB自体のレベルが上がっていけば、AKBで1位だろうが50位だろうが、芸能界全体でみれば上位に位置することに変わりは無い。
ランキングを絶対視する必要はありませんが、きっかけにはいいかなとは思います。ランキングで全てを語るのは反対ですけれども。まあ、参考程度に。
・魚(お金、地位、名誉)をあげるのではなく、釣りざお(それらを獲得するツール)の作り方を教える。
ノウハウを教えるという感じでしょうか。今はこういうのが求められている時代ですね。
・チャンスには順番がある。待っていれば、必ずチャンスは来る。むやみやたらに動き回ると、それを逃してしまう。
AKBでこういう曲ありましたよね。それはともかく、待つ勇気が大事だということですね。「今出来ることをひたむきにやっていると良いことあるよ」ということでしょうか。転がってきたチャンスをきちんとつかめる準備が必要なのですね。でも、「待つ」って結構大変ですよねえ。
・プロデュースの仕事は、畑を用意して種をまくまで。花が咲くかは本人次第。
これは組織論的な話ですね。上に立つ人は、下の人が活躍できるフィールドを持たせてあげることが重要です。失敗もしますが、成長もするというお話。
・売れるには「刺さるコンテンツ」(自分はこれが好きだ!と思ってもらえるコンテンツ)でなければいけない。今の時代、「認知」だけでものは売れない。
・細分化された特定の価値集団に属する人々に売れればOKである。
(そのための「刺さるコンテンツ」)
・今の人(2012年の話。特に若い人)は「本当に欲しいものしかいらない」という価値観である。とりあえず持っておくという価値観はあまり無い。
これはその通りだなと思います。テレビの影響力が落ちたのは、認知と購買が結びつかなくなったからです。何か付加価値が無ければ、買おうという回路に至らないのですね。私はブランディングに興味を持っていますが、個人でもちゃんと付加価値をつけられれば、購買に結び付くはずです……きっと。
・AKBでは「最小公倍数」を意識している。一人ひとりにアプロ―チをかける。
AKBの場合は色々なタイプの子を入れることで、ファンのすそ野を広げているということですね。個人の場合でも、趣味嗜好が単一ということはあまりありませんから、フックをたくさんつけておくと良いですね。
・ものがヒットするには、「共犯意識」の広がりがポイント。共犯意識とは、「下らないけど、俺たちだけは知ってるぜ」という感覚。
これは王道には無い感覚です。今でこそAKBは王道ですが、最初はこういうのが必要だったんですね。ニッチな市場では重要な項目でしょう。
・時代や大衆のニーズに上手く乗る。逆らったりするのではなく、利用する。
・戦略が無いのが戦略。時代に身をゆだねる。
「最初は戦略が必要」だと私は思います。でも、ある程度の波が起きたら、サーファーのようにそれに乗れば良いと考えます。
・本音やバックステージを見せる。
何を考えて、そういう作品がつくられているのか。プレイヤーはどんな人間性か。そういう部分が見えると、ファンになってもらいやすいですね。私もTwitterなどが面白い人は好きです。
・雑談の中にこそ、企画のヒントがある。
・企画とは、ある「場」と別の「場」を結び付けることである。
・どんな仕事でも「企画」がある。常に考える。何を考えればいいのか考える。
常に企画の為のアンテナを張っておくということですね。「企画」というのは今の現状を良い方向へ変化させる行動計画のことだと思うので、ありとあらゆる場面でそれは必要とされているということでしょう。
・「予定調和を壊す」とは裏をかいたり、奇をてらうことでは無い。なぜなら、裏や奇を考えた時点でそれ自体が「予定調和」だからである。正しいのは、「何も制限をかけないこと」である。
これは大事な発想だなと思いました。CMなんかでも奇をてらい過ぎて意味が分からないものとかありますしね。あれは逆に予定調和なんでしょう……。
・気づきを付箋に貼って、リュックに放り込んでいくイメージ。
秋元さんは実際に付箋に貼るわけじゃなくて、頭の中でのイメージと語っています。でも個人的にはメモなどに書いておくといいんじゃないかなと思います。
・現在はすべて過去にすぎない。これからもその「過去」が積み重なるかは分からない。
自分は歴史が好きで、それなりに勉強してきたので、過去は大事だと思っています。一方で、過去というのはマイナスを避けることは出来ても、プラスにするのに向いているツールではないと思うので、過去一辺倒もまずいですよね。となると、過去も参考にしつつ、自分の直感を大事に攻めるのが良さそうですね。
・マーケティングを考えるより、自分が信じるものを続ける方が大事。二匹目のドジョウはどうしても小さくなる。
AKBのあとにAKBの真似をしても意味が無いと秋元さんは言います。確かにアイドルで明確に成功しているのはももクロぐらいですからね。ももクロはAKBとはコンセプトが違いますし。
・みんなが考えないようなことをやる。野球で言えば、フルスイング。三振もあるが、ホームランもある。逆に、バットを短く持って当てに行くと、単打ばかりになる。
これは当の秋元さんも、仕事によると書いています。AKBではフルスイング出来ますが、依頼されたものはどうしても当てにいくバッティングになると。使い分けが大事そうです。
・「初めて」が一番面白い。常に自分にとっての初めてをやる人は元気。
初めては「恐い」です。一方でワクワクもします。まさに「生きてる!」って感じがしますね。確かにエネルギーは出そうですよ。
・「場」をつくることが大事。そこで何が起きるかはコントロール不能。
まずは「場」を確保することが大事ですね。「場」が無ければ何も出来ませんから。その点、今の時代はネットに「場」だけはたくさんあるので、ある意味恵まれていると言えそうです。
・ファンやお客さんが求めているのは「身近さ」。
やっぱり人間性なのですよ。プロなら露出しなくてもいいかもしれないのですが、アマチュアは自分も含めてトータルで考えていく必要がありそうです。
・クリエイティブとマネージメントは違う。クリエイティブは完成形に近付けていく作業。マネージメントはそれと徹底的に向き合って、問題を解決していく作業のこと。
これは「なるほど!」と思いました。私はどちらかと言うと、「マネージメント」っぽいですね。自分で物事を牽引するのは苦手なので。
・「何が面白かったのか?」をお客さんが理解していないと、リピーターになってくれない。
これは裏返すと、供給側がそれを意図的に忍び込ませておく必要があるということです。この作品で何を楽しんでもらいたいのか。それを楽しんでもらえるような構成か。などなど。
・成功しない理由を見つけないこと。
パイオニアと呼ばれる人はこういう傾向がありますよね。探せばいくらでも出てきますが、あえて探さない、と。
・人生とは「デッサン」のようなもの。失敗の積み重ね。
よく言われる言葉ですが、前提があると私は思います。はっきり言って、私は失敗は嫌です。なので、失敗しないように策を練ります。それでも失敗するのですね。そのときに初めて、「失敗は成功の元さ」と"開き直る"ことが出来ると良いねという話だと思います。ただ、失敗を恐れて行動しないのは、何も生まないので、やめるようにしようと思ってます。
・「僕に仕事を発注して、期待したのはあなた」というスタンス。期待はクライアントが勝手にしてることで、こちらはあまりそれに頓着しない。ダメでも悪いのは頼んだ人という気楽さがある。
日本は職人系の仕事が多く、みんな真面目なので、期待以上のものをつくろうと努力するのが美徳とされています。これはこれで素晴らしいと思いますが、こういうのって「もの」系の仕事で可能なんですよね。誰が見ても仕事の質が分かる類の仕事です。
逆に、エンターテインメント系は成果判断が非常に主観的です。同じ作品を見ても「いい」と言う人と「なんじゃこりゃ」と言う人がいます。しかも工業品と違って、目に見えないものを扱っているのと同義です。故に期待以上に出来る保証がありません。なので、そこをあまり突き詰めなくてもいいのかなと思いますね。
これでも色々省略しています。また、高橋みなみさんのインタビューなども入っていたりと、他にも面白い部分が多いので、ぜひ読んでみてください!