電子書籍作成代行はどこへ行く?
1.はじめに
先日、最高裁で既存の紙本を裁断して電子書籍化するいわゆる自炊の代行は違法行為であるという判決がくだりました。
私は電子書籍作成代行をしていますが、そもそも自炊代行はしていません。しかし、業界としてはそれなりのインパクトがあったのではないかと思います。
今後はどうなっていくのでしょうか。結論としてはパーソナルブックのアーカイブに突破口があるだろうということなんですが、順番にみていきましょう。
先日、最高裁で既存の紙本を裁断して電子書籍化するいわゆる自炊の代行は違法行為であるという判決がくだりました。
私は電子書籍作成代行をしていますが、そもそも自炊代行はしていません。しかし、業界としてはそれなりのインパクトがあったのではないかと思います。
今後はどうなっていくのでしょうか。結論としてはパーソナルブックのアーカイブに突破口があるだろうということなんですが、順番にみていきましょう。
2.無料との競合
この業界を考える上でまずもって出てくるのは無料サービスとの競合です。
電子書籍をつくる場合には私が作業のベースとして使わせていただいている「でんでんコンバーター」をはじめとする無料でのEPUB作成サービス(ソフト?)がありますので、ちょっと調べる人で価格に敏感な人はまずそちらを選ぶことになるでしょう。
とはいえ、ある程度まではこの無料系統で出来るわけですが、難しめのことや何かでつまずいたりしたときには私たちへのニーズが生まれると考えられます。
もちろん結構単純なものでも余裕がなかったりすると依頼されることもありますが、それはあまり当てにしないほうがいいかなと思います。母数が少ないでしょうからね。
無料のサービスとは競合というよりはすみわけが出来ていければ共存共栄になるんじゃないかなと私は思います。
この業界を考える上でまずもって出てくるのは無料サービスとの競合です。
電子書籍をつくる場合には私が作業のベースとして使わせていただいている「でんでんコンバーター」をはじめとする無料でのEPUB作成サービス(ソフト?)がありますので、ちょっと調べる人で価格に敏感な人はまずそちらを選ぶことになるでしょう。
とはいえ、ある程度まではこの無料系統で出来るわけですが、難しめのことや何かでつまずいたりしたときには私たちへのニーズが生まれると考えられます。
もちろん結構単純なものでも余裕がなかったりすると依頼されることもありますが、それはあまり当てにしないほうがいいかなと思います。母数が少ないでしょうからね。
無料のサービスとは競合というよりはすみわけが出来ていければ共存共栄になるんじゃないかなと私は思います。
3.単価の問題
電子書籍化というのは興味を持っている人はいるようですが、実際に原稿を持っていて今やりたいという人はあまりいない気がします。しかもその中で前述したようなニーズにしぼれば市場の小ささはかなりのものでしょう。
となると、当然売上数は低く見積もることになるので、単価をあげる必要が出てきます。
一般に、いわゆる自費出版をする場合より電子書籍化は価格が安くなります。しかし、流通網にはのせないとか企画、編集は自分でやってるという場合はそんなに変わらないか、むしろ高くつくケースもあるかもしれません。
しかし、単価をあげなければ商売として成り立たないのでお客さんにお金を払ってもらう必要があります。
単価をあげたいが、自費出版との比較では必ずしもコストが安いとは言えず、しかも紙というブランド分を含めると劣るケースもあるのでおいそれと単価をあげられない。
私は電子書籍化の事業がそんなに広がっていないのは、こういう構造に要因があるのではないかと考えています。だからこそ、簡単にお客さんが集められる自炊代行のほうが主流だったのでしょう。
電子書籍化というのは興味を持っている人はいるようですが、実際に原稿を持っていて今やりたいという人はあまりいない気がします。しかもその中で前述したようなニーズにしぼれば市場の小ささはかなりのものでしょう。
となると、当然売上数は低く見積もることになるので、単価をあげる必要が出てきます。
一般に、いわゆる自費出版をする場合より電子書籍化は価格が安くなります。しかし、流通網にはのせないとか企画、編集は自分でやってるという場合はそんなに変わらないか、むしろ高くつくケースもあるかもしれません。
しかし、単価をあげなければ商売として成り立たないのでお客さんにお金を払ってもらう必要があります。
単価をあげたいが、自費出版との比較では必ずしもコストが安いとは言えず、しかも紙というブランド分を含めると劣るケースもあるのでおいそれと単価をあげられない。
私は電子書籍化の事業がそんなに広がっていないのは、こういう構造に要因があるのではないかと考えています。だからこそ、簡単にお客さんが集められる自炊代行のほうが主流だったのでしょう。
4.支払いに値する価値はどこに?
となってくると、価値に着目して考える必要が出てきます。
特に、今後大事になってくるのは体験という価値です。今はネットが発達したので簡単な疑似体験はたくさんできますが、それゆえに生の体験は大きな価値になってきています。音楽業界でCDの売上が落ちる一方でライブやフェスに行く人が増えているのはその証左です。
それに付随して生の体験を見たり、聞いたり、読んだりしたいというニーズも出てきていると思います。月並なことではなくて、パーソナルなものを求める志向が強くなってきていると感じるのです。これは批評が専門家のものではなく素人もネットを通じて発信できるようになったことが大きいと考えています。
パーソナルなものを求めているということは、必ずしも出版しなくてもいいということです。売るというのはパブリックな側面(内容やビジネス志向)を必ず持ちますから、コストパフォーマンスをどうしても考えます。そうすると先ほど書いたように色々な競合とぶつかってしまうのでこの業界は不利です。
パーソナルな価値を満たせて、かつ他の業界とはぶつからないところはどこでしょうか。
となってくると、価値に着目して考える必要が出てきます。
特に、今後大事になってくるのは体験という価値です。今はネットが発達したので簡単な疑似体験はたくさんできますが、それゆえに生の体験は大きな価値になってきています。音楽業界でCDの売上が落ちる一方でライブやフェスに行く人が増えているのはその証左です。
それに付随して生の体験を見たり、聞いたり、読んだりしたいというニーズも出てきていると思います。月並なことではなくて、パーソナルなものを求める志向が強くなってきていると感じるのです。これは批評が専門家のものではなく素人もネットを通じて発信できるようになったことが大きいと考えています。
パーソナルなものを求めているということは、必ずしも出版しなくてもいいということです。売るというのはパブリックな側面(内容やビジネス志向)を必ず持ちますから、コストパフォーマンスをどうしても考えます。そうすると先ほど書いたように色々な競合とぶつかってしまうのでこの業界は不利です。
パーソナルな価値を満たせて、かつ他の業界とはぶつからないところはどこでしょうか。
5.パーソナルブックのアーカイブ
私が今考えているのは、自分のために書いた本、あるいは売ったりするためのものではないもの、すなわちパーソナルブック(今考えました)のアーカイブとして電子書籍というかEPUBを使ってもらうということです。
紙の本の価値というのは分かっているつもりでして、私自身気に入ったものであればあるほど現物で持っておきたいと思います。しかし、紙には弱点があります。永久に持っておくことは出来ず、劣化したり、何らかの要因で紛失すると記録が永遠に失われてしまうという部分です。
これを克服できるのがデジタルの大きな特徴です。もちろん、バックアップなど工夫は必要ですがそのコストは紙よりぐっと低くなります。
また、電子書籍と言われるものの中でもPDFはスマホでの見やすさに難があると私は思っていますので、見やすさでEPUBは優れています。アクセシビリティも高いです。さらに言えば、長いコンテンツを読むにはPCよりもスマホやタブレットのほうが都合がいいので、ますますEPUBの優位性が出てきます。
一度つくっておけば、作品集なら出版するという選択肢を持っておくことが出来るので、一石二鳥です。また、無料との違いは文字起こしなども対応できるという点です。これはやる人によってマチマチでしょうが。
単価面について考えると、パーソナルなものを保存しておこうという場合、自分でというのもあるとは思いますが、それは近しい誰かが絡んでいるケースが多いのではないかと思います。こういう場合、自己完結ではないのでお金の出しやすさがまったく変わってきます。したがって、単価もある程度高いまま維持できる可能性が高くなるわけです。
私が今考えているのは、自分のために書いた本、あるいは売ったりするためのものではないもの、すなわちパーソナルブック(今考えました)のアーカイブとして電子書籍というかEPUBを使ってもらうということです。
紙の本の価値というのは分かっているつもりでして、私自身気に入ったものであればあるほど現物で持っておきたいと思います。しかし、紙には弱点があります。永久に持っておくことは出来ず、劣化したり、何らかの要因で紛失すると記録が永遠に失われてしまうという部分です。
これを克服できるのがデジタルの大きな特徴です。もちろん、バックアップなど工夫は必要ですがそのコストは紙よりぐっと低くなります。
また、電子書籍と言われるものの中でもPDFはスマホでの見やすさに難があると私は思っていますので、見やすさでEPUBは優れています。アクセシビリティも高いです。さらに言えば、長いコンテンツを読むにはPCよりもスマホやタブレットのほうが都合がいいので、ますますEPUBの優位性が出てきます。
一度つくっておけば、作品集なら出版するという選択肢を持っておくことが出来るので、一石二鳥です。また、無料との違いは文字起こしなども対応できるという点です。これはやる人によってマチマチでしょうが。
単価面について考えると、パーソナルなものを保存しておこうという場合、自分でというのもあるとは思いますが、それは近しい誰かが絡んでいるケースが多いのではないかと思います。こういう場合、自己完結ではないのでお金の出しやすさがまったく変わってきます。したがって、単価もある程度高いまま維持できる可能性が高くなるわけです。
6.おわりに
これ以外にもチャンスがあるかもと思ってることもあるにはあるんですが、今回は書きません。
結論としては、パーソナルブックのアーカイブに突破口があるのではないかと思ってるよというお話でした。
本が作れるというよりは、公に発表されているものと同じ形のものが自分のために存在していると思える体験にフォーカスをあてたほうが楽しんでもらえるのではないかなあ、なんて思っています。
ではでは!
これ以外にもチャンスがあるかもと思ってることもあるにはあるんですが、今回は書きません。
結論としては、パーソナルブックのアーカイブに突破口があるのではないかと思ってるよというお話でした。
本が作れるというよりは、公に発表されているものと同じ形のものが自分のために存在していると思える体験にフォーカスをあてたほうが楽しんでもらえるのではないかなあ、なんて思っています。
ではでは!