第3シリーズ 「福」業を考えてみませんか?
第2回 職業選択の自由はあるか?
現在の日本では、職業(業種)選択は憲法で保障もされていますし、制度としても自由があります。が、実質的な部分では怪しいです。
生活する環境によって異なりますが、前回書いたように労働者モデルが標準であるため、職業選択は給料に大きく左右されているからです。
当然ですが、給料が低い職業をわざわざ選ぶことはあまりありませんよね。ということは、給料によってその職業を選択する自由が環境によっては「事実上」奪われているとも言えるわけです。
この問題がなぜ生じるのかいえば、給料が貨幣で支払われるからです。しかし、貨幣とは虚像価値であるので、本人に本当に必要なものかどうかは実は分かりません。例えば、家のベランダで家庭菜園をしていて、野菜をつくっている人は貨幣としての野菜代を必要としないですよね。あるいは農家の友人や親戚がいれば余りものをもらえるかもしれません。よくよく考えてみると、貨幣が無ければ何も手に入らないということは無いのです(もちろん制限はかかります)。
この一つの原因は、資本の交換性にあります。社会学では資本を「経済資本」、「文化資本」、「社会関係資本」の三つに分けて論じることがあります。経済資本は基本的に貨幣を指しています。文化資本は文化的ふるまいや教養、学歴です。そして、社会関係資本は簡単に言えば人間関係のことを言います。この三つは独立しているようで相互に変換可能なのです。
学歴社会という言葉がありますが、これは学歴があるほうがよい会社に入れて、人からも評価を得やすいことを示していますよね。このことを資本で言うと、文化資本が経済資本や社会関係資本に変換されていると言えるのです。
この機能があるために経済資本が無くても、少しであればものが手に入るようにできています。
とはいえ、現代の経済世界は貨幣を媒介して動くので貨幣は絶対に必要です。ゆえに、貨幣経済を批判しても仕方ありません。ですが、貨幣(経済資本)を絶対視しない考え方もとることができるということは頭に入れておいてください。私の考え方では大きなポイントになる概念です。
今回は短いですがここまでにします。次回は給料の問題の背景にあるものを考えながら、私たちが真に職業選択の自由を得るにはどうしたらいいのかを書いていこうと思います。
生活する環境によって異なりますが、前回書いたように労働者モデルが標準であるため、職業選択は給料に大きく左右されているからです。
当然ですが、給料が低い職業をわざわざ選ぶことはあまりありませんよね。ということは、給料によってその職業を選択する自由が環境によっては「事実上」奪われているとも言えるわけです。
この問題がなぜ生じるのかいえば、給料が貨幣で支払われるからです。しかし、貨幣とは虚像価値であるので、本人に本当に必要なものかどうかは実は分かりません。例えば、家のベランダで家庭菜園をしていて、野菜をつくっている人は貨幣としての野菜代を必要としないですよね。あるいは農家の友人や親戚がいれば余りものをもらえるかもしれません。よくよく考えてみると、貨幣が無ければ何も手に入らないということは無いのです(もちろん制限はかかります)。
この一つの原因は、資本の交換性にあります。社会学では資本を「経済資本」、「文化資本」、「社会関係資本」の三つに分けて論じることがあります。経済資本は基本的に貨幣を指しています。文化資本は文化的ふるまいや教養、学歴です。そして、社会関係資本は簡単に言えば人間関係のことを言います。この三つは独立しているようで相互に変換可能なのです。
学歴社会という言葉がありますが、これは学歴があるほうがよい会社に入れて、人からも評価を得やすいことを示していますよね。このことを資本で言うと、文化資本が経済資本や社会関係資本に変換されていると言えるのです。
この機能があるために経済資本が無くても、少しであればものが手に入るようにできています。
とはいえ、現代の経済世界は貨幣を媒介して動くので貨幣は絶対に必要です。ゆえに、貨幣経済を批判しても仕方ありません。ですが、貨幣(経済資本)を絶対視しない考え方もとることができるということは頭に入れておいてください。私の考え方では大きなポイントになる概念です。
今回は短いですがここまでにします。次回は給料の問題の背景にあるものを考えながら、私たちが真に職業選択の自由を得るにはどうしたらいいのかを書いていこうと思います。