新海誠監督インタビュー「アニメとはバンドエイド」(あにこれβより)
新海誠監督と言えば、自主制作アニメーション出身の監督としては最も有名で、多くの自主制作作家に影響を与えたのではないかと思える人物です。
そんな新海監督にあにこれβがインタビューしたサイトがあるのでそちらを紹介したいと思います。
と言っても、ただ紹介するだけでは意味が無いので、私が印象に残った部分も書いてみたいと思います。
①アニメーションとはどんなものか?
そんな新海監督にあにこれβがインタビューしたサイトがあるのでそちらを紹介したいと思います。
と言っても、ただ紹介するだけでは意味が無いので、私が印象に残った部分も書いてみたいと思います。
①アニメーションとはどんなものか?
アニメーションには、フィクションには現実でどうしてもうまくいかない時、それを少しだけ助けてくれるチカラがあると思う。バンドエイドみたいに傷ができたところに貼ると、傷の治りがちょっとだけ早くなって。
でも役割を終えたら剥がして捨てちゃうじゃないですか。アニメって、そういう存在で良いと思うんです。
このスタンスはとても面白いですよね。
アニメ以外にも様々な文化的な創造物というものがありますが、それって結局のところ、生活には必要の無い「無駄」なものです。でも、その「無駄」こそが人生をより豊かにするのだと思います。
また、作品自体においても「無駄」とか、「非効率」とか、「遠回り」といった要素が無ければ、作品に深みが出ないですしね。
そして、そういう要素が私たち自身を救うのだと思います。
②各作品の課題
ここは分散しているので、私の方でざっくりまとめました。
(上が目的。下が見えてきた課題)
・「彼女と彼女の猫」
>>完成させることが目的。
>>モノクロで、尺が短く(5分程度)、メインの登場キャラは猫。
・「ほしのこえ」
>>登場人物を人間に。視点を2つに。カラーに。ストーリー性を設け、尺を長く。
>>一人でつくっており、ゲームムービーの延長という感覚。これはアニメーションなのか?という疑問。
・「雲のむこう、約束の場所」
>>きちんとしたアニメーションをつくる。アニメーターとつくる。人物を3人に。尺を長く。
>>急に分業へ移行したことへの戸惑い。無茶なスケジューリングにより満身創痍に。
・「秒速5センチメートル」
>>自分でコントロールできるスタッフ数でつくる。尺を短く。画面1つ1つにこだわる。余裕のあるスケジュール。
>>見る人を限定しすぎているのではないかという居心地の悪さ。
・「星を追うこども」
>>見た人が単純に「楽しめる」作品に。老若男女、万国共通に受け入れられるような作品を。
(インタビューは星追いの公開時期にあわせたものなので、星追いの課題は無し)
各作品にある程度明確な課題と目的があるのが新鮮でした。やはりアニメーションは制作期間が長いので、考える時間が多いのでしょうね。
私も含め多くの人は、前回とは違ったもの、前回を踏まえて、よりパワーアップしたものをつくりたいと思うでしょうから、自然にこういうのは出てくるのかなと思います。
また、こういう思いを発信すると、作品そのものに「ストーリー」が出来ます。これは、受け手からすると楽しみ方が提供されていることになるので、作品を手に取りやすくなると思います。だいたいファンはそういう作品鑑賞の仕方をしますよね。私も新海監督のファンなので、そういう鑑賞方法をとったりします(笑)
③今後の自主制作アニメの在り方
アニメ以外にも様々な文化的な創造物というものがありますが、それって結局のところ、生活には必要の無い「無駄」なものです。でも、その「無駄」こそが人生をより豊かにするのだと思います。
また、作品自体においても「無駄」とか、「非効率」とか、「遠回り」といった要素が無ければ、作品に深みが出ないですしね。
そして、そういう要素が私たち自身を救うのだと思います。
②各作品の課題
ここは分散しているので、私の方でざっくりまとめました。
(上が目的。下が見えてきた課題)
・「彼女と彼女の猫」
>>完成させることが目的。
>>モノクロで、尺が短く(5分程度)、メインの登場キャラは猫。
・「ほしのこえ」
>>登場人物を人間に。視点を2つに。カラーに。ストーリー性を設け、尺を長く。
>>一人でつくっており、ゲームムービーの延長という感覚。これはアニメーションなのか?という疑問。
・「雲のむこう、約束の場所」
>>きちんとしたアニメーションをつくる。アニメーターとつくる。人物を3人に。尺を長く。
>>急に分業へ移行したことへの戸惑い。無茶なスケジューリングにより満身創痍に。
・「秒速5センチメートル」
>>自分でコントロールできるスタッフ数でつくる。尺を短く。画面1つ1つにこだわる。余裕のあるスケジュール。
>>見る人を限定しすぎているのではないかという居心地の悪さ。
・「星を追うこども」
>>見た人が単純に「楽しめる」作品に。老若男女、万国共通に受け入れられるような作品を。
(インタビューは星追いの公開時期にあわせたものなので、星追いの課題は無し)
各作品にある程度明確な課題と目的があるのが新鮮でした。やはりアニメーションは制作期間が長いので、考える時間が多いのでしょうね。
私も含め多くの人は、前回とは違ったもの、前回を踏まえて、よりパワーアップしたものをつくりたいと思うでしょうから、自然にこういうのは出てくるのかなと思います。
また、こういう思いを発信すると、作品そのものに「ストーリー」が出来ます。これは、受け手からすると楽しみ方が提供されていることになるので、作品を手に取りやすくなると思います。だいたいファンはそういう作品鑑賞の仕方をしますよね。私も新海監督のファンなので、そういう鑑賞方法をとったりします(笑)
③今後の自主制作アニメの在り方
この先、日本のアニメーション、自主制作アニメ業界というものがどうなっていくのか、僕にはわかりません。「アニメーション業界はこうあるべきだ」というような気持ちも全くないですね。ただ、自分が作りたいから作る、という気持ちです。
(中略)
僕としては、「こうあるべき」「こうするべき」という言い方はあまり好きではないんです。それぞれの人が、自分で考えて、自分のやりたい方向に進んでいけばいいんじゃないかなと思っています。
クリエイターの本質はここにあると思います。
例えば文学界や音楽界など、歴史が長い分野だと、今までの歴史や流れを重視するようになります。元々人間は保守的な側面を強く持つ生物なのでそれは仕方ないのですが、それを分かった上で、「あえて壊す」という人や作品が必要になってくるだろうなと思います。
一方で、壊すことを目的とした作品に感化されることはあまり無いだろうとも思います。自分の思いがあふれ出てつくった作品が、気づいたら「壊すもの」になっていたという形が一番良いのでは?と思います。
ある分野が伸び悩むときというのは、「既存の型」が登場し、技術論でそれが語られるようになったときだと私は思っています。効率的に売るとか、運営するという場合に「型」は有用ですが、それが主流を占めるようになると新しい芽が出にくくなります。私としては、両方のバランスが取れる目を持ちたいと思っています。「型」の良さを認めつつも、新しい芽を活かす。そんな人になりたいですね。いや、そういう人だな、と思ってもらえていたら嬉しいです。
私が特に印象に残ったのはこの3つでした。
他にも新海さんが好きなアニメとか、学生時代のお話とか、作品作りのこだわりなんかも書いてあって、とても面白いです。
気になった方は、ぜひ読んでみてください!
全文は以下リンクより!
新海誠インタビュー:雑誌では聞けない50の質問【あにこれβ】
例えば文学界や音楽界など、歴史が長い分野だと、今までの歴史や流れを重視するようになります。元々人間は保守的な側面を強く持つ生物なのでそれは仕方ないのですが、それを分かった上で、「あえて壊す」という人や作品が必要になってくるだろうなと思います。
一方で、壊すことを目的とした作品に感化されることはあまり無いだろうとも思います。自分の思いがあふれ出てつくった作品が、気づいたら「壊すもの」になっていたという形が一番良いのでは?と思います。
ある分野が伸び悩むときというのは、「既存の型」が登場し、技術論でそれが語られるようになったときだと私は思っています。効率的に売るとか、運営するという場合に「型」は有用ですが、それが主流を占めるようになると新しい芽が出にくくなります。私としては、両方のバランスが取れる目を持ちたいと思っています。「型」の良さを認めつつも、新しい芽を活かす。そんな人になりたいですね。いや、そういう人だな、と思ってもらえていたら嬉しいです。
私が特に印象に残ったのはこの3つでした。
他にも新海さんが好きなアニメとか、学生時代のお話とか、作品作りのこだわりなんかも書いてあって、とても面白いです。
気になった方は、ぜひ読んでみてください!
全文は以下リンクより!
新海誠インタビュー:雑誌では聞けない50の質問【あにこれβ】