君は知ってる? AIDMAの法則
(※この記事は以前「ワナビビビッ」に寄稿していたものを一部加筆修正のうえ転載したものです。当該サイトが無くなってしまったようなので、データがあるものはこちらに移します)
今回はビジネスをやる場合には欠かせないフレームワークである「AIDMAの法則」なるものをご紹介します。
ビジネスをしていなくても、もっと多くの人に作品を見てほしい場合にも応用が利きますし、何をすれば分からないという人のための道しるべにもなってくれるはずです。
それではいってみましょう!
今回はビジネスをやる場合には欠かせないフレームワークである「AIDMAの法則」なるものをご紹介します。
ビジネスをしていなくても、もっと多くの人に作品を見てほしい場合にも応用が利きますし、何をすれば分からないという人のための道しるべにもなってくれるはずです。
それではいってみましょう!
1.AIDMAの法則とは何者か
AIDMAの法則は、「アイドマの法則」と読んでもらえばいいのですが、言葉自体に意味があるわけではありません。
では何か?
これは消費者が商品に接した時にたどる5つのプロセスを示す英単語の頭文字をとったものなのです。具体的にみてみます。
①Attention(注意)
②Interest(関心)
③Desire(欲求)
④Memory/Motive(記憶あるいは動機)
⑤Action(行動)
これだけ並べられてもよく分かりませんよね。次のセクションから具体的に考えてみましょう。
AIDMAの法則は、「アイドマの法則」と読んでもらえばいいのですが、言葉自体に意味があるわけではありません。
では何か?
これは消費者が商品に接した時にたどる5つのプロセスを示す英単語の頭文字をとったものなのです。具体的にみてみます。
①Attention(注意)
②Interest(関心)
③Desire(欲求)
④Memory/Motive(記憶あるいは動機)
⑤Action(行動)
これだけ並べられてもよく分かりませんよね。次のセクションから具体的に考えてみましょう。
2.AIDMAの法則の例
あなたは、大学への通学のため、とある鉄道の駅(A駅)にやってきました。
きっぷを買おうかな、と券売機の前に立つと、券売機の横にタレントの顔と大きな文字に派手な色のポスターが貼ってあるのに気が付きます。時間やら値段が書いてあるのでどうも電車のサービスについてのポスターのようで、少し目で追うあなた。
文字を見ると、『A駅から東京まで快適な座席でわずか30分!(通常58分)/しかもワンコイン500円!!/のんびり鉄道旅、遅刻回避に最適!』との文字。どうやら特急電車の広告のようです。
「へ~、こんなのあるんだ~。確かにいつも東京まで混雑しててしんどいし、500円なら手も出しやすいかも」
そんなことを考えたものの、普通の電車に乗っても目的地に全然間に合いますし、お金に余裕はありません。
「ま、いいや。普通に行こう」
そう考えたあなたは、普通にきっぷを買い、電車に乗り込んだのでした。
後日。よりによって試験の日に寝坊したあなたは急いで駅に向かいましたが、いつも乗る電車はもう出発しています。
「やばい、遅刻だ!」
焦って券売機の前に立ったあなたの目に一枚のポスター。この前見たポスターです。
「そうだ、特急なら早いんだっけ! 次は何時だ!」
時計を見ると五分後に特急が出るようです。
「500円で快適らしいし、これで間に合うなら安いもんだ!」
そう思ったあなたは特急券を500円で買い、特急に乗りこんだのでした。(了)
はい。ここまで短い小説(?)を見ていただきましたが、いかがでしたか。実は、この小説の中にAIDMAの法則がまぎれているのですが、分かりましたでしょうか?
(いまどききっぷ買わないだろというツッコミはスルーで)
見てみましょう。
①Attention(注意)
小説では、券売機の前に立ち、ポスターに気付くところが該当します。
「これに注目して!」とアピールするのが最初のステップです。先ほどの例でのポイントは、「場所」と「メディア」です。
「場所」に、今回は券売機横を設定しました。券売機は鉄道会社からすると顧客との契約交渉の場ですから、そこでオプションを提示するのは利にかなっているわけですね。
次に、「メディア」です。メディアは、今回ポスターを使いました。これは目立つ必要があるからです。白い紙に小さい文字でお知らせしていてもどうしようもないのは、皆さんもすぐ想像がつくでしょう。目立つだけなら他にも方法はありますが、コストもそんなにかからないですからね。実現可能性が高いです。
でも、これだけでは不十分です。
②Interest(関心)
注意を集めたら、関心を持ってもらわないといけません。駅の券売機横に「トラック」のポスターが目立つ形で貼ってあってもしょうがないですよね。「電車に関係あることだ!」という主張をする必要があります。そこで、今回は「文字」を使って「時間」と「値段」をとりあえず目に入れて、興味を惹くかたちにしてみました。
③Desire(欲求)
関心をひいたら、「使ってみたいな」と思ってもらう必要があります。ポイントは「気持ち」です。それを使うと「どんないい気持ちになるか」「これはあなたをこんなに快適にしますよ」ということを強調してアピールするのです。
例では、「快適」、「のんびり」というワードがこれにあたります。
④Memory/Motive(記憶あるいは動機)
Mの部分は、Memoryという方もいますし、Motiveと説明する方もいますが、どちらも言っていることは同じです。要するに記憶に入れておいてもらって、”必要なとき”にとりだしてもらうのです。
ここではその「必要性」や「権威性」、他のものとの「差異性」をアピールして、「買おう!」「使おう!」と思ってもらうステップなのですね。別の言い方をすると、消費者に”消費の正当性”を与えるステップです。
例では「寝坊して遅刻の危機」という状況に加え、そこを突くポスターの「遅刻回避に最適」という文句が効き、補強として「ワンコイン」と「快適さ」が加わり、特急を利用しようと思わせたということになります。
⑤Action(行動)
言うまでも無く、使ってもらう、買ってもらうことを指します。電車では大したことありませんが、ここでもアクションを起こしやすい環境をつくってあげる必要があります。
例えば特急に乗るのに窓口で発券が必要とか言われたら面倒でやめてしまう人も出かねませんよね。「鉄は熱いうちに打て!」ではありませんが、「客が熱いうちに買ってもらえ!」なのです。
あなたは、大学への通学のため、とある鉄道の駅(A駅)にやってきました。
きっぷを買おうかな、と券売機の前に立つと、券売機の横にタレントの顔と大きな文字に派手な色のポスターが貼ってあるのに気が付きます。時間やら値段が書いてあるのでどうも電車のサービスについてのポスターのようで、少し目で追うあなた。
文字を見ると、『A駅から東京まで快適な座席でわずか30分!(通常58分)/しかもワンコイン500円!!/のんびり鉄道旅、遅刻回避に最適!』との文字。どうやら特急電車の広告のようです。
「へ~、こんなのあるんだ~。確かにいつも東京まで混雑しててしんどいし、500円なら手も出しやすいかも」
そんなことを考えたものの、普通の電車に乗っても目的地に全然間に合いますし、お金に余裕はありません。
「ま、いいや。普通に行こう」
そう考えたあなたは、普通にきっぷを買い、電車に乗り込んだのでした。
後日。よりによって試験の日に寝坊したあなたは急いで駅に向かいましたが、いつも乗る電車はもう出発しています。
「やばい、遅刻だ!」
焦って券売機の前に立ったあなたの目に一枚のポスター。この前見たポスターです。
「そうだ、特急なら早いんだっけ! 次は何時だ!」
時計を見ると五分後に特急が出るようです。
「500円で快適らしいし、これで間に合うなら安いもんだ!」
そう思ったあなたは特急券を500円で買い、特急に乗りこんだのでした。(了)
はい。ここまで短い小説(?)を見ていただきましたが、いかがでしたか。実は、この小説の中にAIDMAの法則がまぎれているのですが、分かりましたでしょうか?
(いまどききっぷ買わないだろというツッコミはスルーで)
見てみましょう。
①Attention(注意)
小説では、券売機の前に立ち、ポスターに気付くところが該当します。
「これに注目して!」とアピールするのが最初のステップです。先ほどの例でのポイントは、「場所」と「メディア」です。
「場所」に、今回は券売機横を設定しました。券売機は鉄道会社からすると顧客との契約交渉の場ですから、そこでオプションを提示するのは利にかなっているわけですね。
次に、「メディア」です。メディアは、今回ポスターを使いました。これは目立つ必要があるからです。白い紙に小さい文字でお知らせしていてもどうしようもないのは、皆さんもすぐ想像がつくでしょう。目立つだけなら他にも方法はありますが、コストもそんなにかからないですからね。実現可能性が高いです。
でも、これだけでは不十分です。
②Interest(関心)
注意を集めたら、関心を持ってもらわないといけません。駅の券売機横に「トラック」のポスターが目立つ形で貼ってあってもしょうがないですよね。「電車に関係あることだ!」という主張をする必要があります。そこで、今回は「文字」を使って「時間」と「値段」をとりあえず目に入れて、興味を惹くかたちにしてみました。
③Desire(欲求)
関心をひいたら、「使ってみたいな」と思ってもらう必要があります。ポイントは「気持ち」です。それを使うと「どんないい気持ちになるか」「これはあなたをこんなに快適にしますよ」ということを強調してアピールするのです。
例では、「快適」、「のんびり」というワードがこれにあたります。
④Memory/Motive(記憶あるいは動機)
Mの部分は、Memoryという方もいますし、Motiveと説明する方もいますが、どちらも言っていることは同じです。要するに記憶に入れておいてもらって、”必要なとき”にとりだしてもらうのです。
ここではその「必要性」や「権威性」、他のものとの「差異性」をアピールして、「買おう!」「使おう!」と思ってもらうステップなのですね。別の言い方をすると、消費者に”消費の正当性”を与えるステップです。
例では「寝坊して遅刻の危機」という状況に加え、そこを突くポスターの「遅刻回避に最適」という文句が効き、補強として「ワンコイン」と「快適さ」が加わり、特急を利用しようと思わせたということになります。
⑤Action(行動)
言うまでも無く、使ってもらう、買ってもらうことを指します。電車では大したことありませんが、ここでもアクションを起こしやすい環境をつくってあげる必要があります。
例えば特急に乗るのに窓口で発券が必要とか言われたら面倒でやめてしまう人も出かねませんよね。「鉄は熱いうちに打て!」ではありませんが、「客が熱いうちに買ってもらえ!」なのです。
3.応用してみよう
自分のもので考えるとどうなるか、簡単なチェックリストをつくってみました。
Q1:あなたの作品のタイトル(あればイラストなど)は人の興味をひくものですか?
Q2:あなたの作品紹介のページ(ツイート等)はどんなものか分かって、かつ関心を持ってもらえる書き方ですか?
Q3:あなたの作品でこんな「気持ち」になる、というアピールがされていますか?
Q4:あなたの作品で最も効果的と思われる人や状況は誰なのか書いてありますか?
Q5:あなたの作品は受け取りやすい工夫がなされていますか?
Yesという項目はこの法則が適用できていますが、Noや微妙だなと思えるものは新しく考えてみたり改善を検討してみるといいかもしれません。もちろんタイトルなど簡単に変えられないものもありますので、そこは慎重な検討が必要でしょう。
自分のもので考えるとどうなるか、簡単なチェックリストをつくってみました。
Q1:あなたの作品のタイトル(あればイラストなど)は人の興味をひくものですか?
Q2:あなたの作品紹介のページ(ツイート等)はどんなものか分かって、かつ関心を持ってもらえる書き方ですか?
Q3:あなたの作品でこんな「気持ち」になる、というアピールがされていますか?
Q4:あなたの作品で最も効果的と思われる人や状況は誰なのか書いてありますか?
Q5:あなたの作品は受け取りやすい工夫がなされていますか?
Yesという項目はこの法則が適用できていますが、Noや微妙だなと思えるものは新しく考えてみたり改善を検討してみるといいかもしれません。もちろんタイトルなど簡単に変えられないものもありますので、そこは慎重な検討が必要でしょう。
4.おわりに
AIDMAの法則、いかがでしたか?
これを使って宣伝方法などを考えると、ただやみくもに宣伝するよりも効果が出るような気がしませんか? また、効果が出なくても問題点分析に役立つので知っておいて損は無い考え方です。
なお、これ以外にも「AIDAの法則」(米では主流)やネット社会では「AISASの法則」がいいという声もあります。それぞれ長所、短所がありますので興味があれば調べてみるものもいいかもしれません。この連載でも時間があれば取り上げてみますね。それから時々、「AIDMAの法則はもう古い!」と書いてあるものも見ますが、基礎という意味で決して古いものではないと私は思っています!
AIDMAの法則、いかがでしたか?
これを使って宣伝方法などを考えると、ただやみくもに宣伝するよりも効果が出るような気がしませんか? また、効果が出なくても問題点分析に役立つので知っておいて損は無い考え方です。
なお、これ以外にも「AIDAの法則」(米では主流)やネット社会では「AISASの法則」がいいという声もあります。それぞれ長所、短所がありますので興味があれば調べてみるものもいいかもしれません。この連載でも時間があれば取り上げてみますね。それから時々、「AIDMAの法則はもう古い!」と書いてあるものも見ますが、基礎という意味で決して古いものではないと私は思っています!